“ 期待してるよ、きみがこの世界を面白くしてくれると ”

チシャ猫の言葉。




あたしに…



なにができるというの?







ぎゅ…とスカートを握った。




「きみはどうやってあの川から抜けれたんだい?」

「え…」


ハッとしておじさんを見る。



「きみはあのウサギの彼の想いが映ってしまったんだろう。だけど、どうして岸に上がれたんだ?」


え…


あたし、なにもしていないわ。


意識が無くなってて…





頭の隅に、
あの紫の髪が見えた気がした。



!?なんであのチシャ猫のことなんか!


眉を寄せる。






「ん…」

ぴくっと掴んでいた白い指先が動いた。



「!ウサギさん…!!」


ぼんやりとウサギがまんまるい赤い瞳を開けた。