なんで…!? さっきまでとても軽かったのに… 水面に必死に手を伸ばすが、 伸ばせば伸ばすほど遠くなって… 苦しい。 限界かも…! 途切れかける意識の中、 痛いほどあたしの腕をウサギが握りしめる。 “お兄ちゃん” え…? 突然頭に響いた 小さな、女の子の声。 ゴボッと音がした。 目の前が白くなる。 あ… それが肺から出た空気だと気づくのは、 意識が途切れた後だった。