ん、待てよ?
ってことは。ってことはよ?
「もしかして、授業中も欠伸我慢してたとか」
「ん、よく知ってるねー。ほらっ、大口開けて欠伸ってさすがにできないじゃん? だからさ、もう必死よ!」
「……じゃあ、何でいつも外見てんの?」
「アハハッ。よく知ってるね。何〜、雨原って私のこと好きなの? そう言えば、今日も見つめてたらしいしね?」
グッと顔を近付けて口角を上げて意味深な笑みを零すと、再びケラケラと笑いだした。
そんな雪村の言葉に顔が赤くなっていく気がするオレ。
オレが雪村を好き?
いやいや違うって。
ないない。
だから、これは今日のこと言われて恥ずかしくなって……って誰に言い訳してんだオレ。
チラッと横目で雪村の様子を伺うと、オレのことなんてまったく無関心かのように腕時計を眺めていた。
「んーと、空眺めてたのはそっちのが眠くならないから。授業聞いてたらマジ眠くなるじゃん。で、他に聞きたいことは?」