「馬鹿にしないでよ・・・」


目の前に広がる雪山。
見下ろす急な坂。


ゴクン。


怖い・・・・





ふと見えた視界の端


「陵・・・」


こっちみてる。

ちょっと、いいとこ見せたい。


よし!!


ガガガガガガガガガガ・・・


「うぅぃぅ・・・・」




「かかとを落とせ!」


かかと?



スピードが早くなる・・・・


いや!!
怖い!!!!!!


パサ・・・


「コホン!コホン!!!」

息・・・できない・・・


ぅうう・・・






「ッハッハッハ」


正面から勢いよく倒れてしまったので
内蔵すべてに衝撃が襲い

息できなくなった。
こんな、はじめてだ

よく、喧嘩系コミックで先輩に腹部を殴られた時のよう。




「少しずつ減速しないと、今みたいになるぞ!!爪先を上げろ!!」


陵が下から叫ぶ。


私はひっくり返り
また立ち上がった。


ガガガガガガガガガガ


爪先、爪先。

あ!!わかった!!!


「陵!!!!こうでしょ????!」


「よし!そのまんま降りてこい!!」



一気にすべって

あっという間に

陵の隣に来ていた。



「よし!よくやった」


すごく笑顔で、陵は私を見下ろした。


「できた!!!できたよ!!!」


「うん」


嬉しくなって、
そのまま最後まで
陵が先に行って
私が滑る
それを陵が指示する

繰り返していくうちに
あっという間に
元のデッキに戻ってきていた。


感謝の気持ちを全部伝えたくて、ありったけの笑顔で
「陵!!ありがとう!!!」

て言ったんだ


そしたら、
横目で静かに
温かい笑顔で 私の頭を撫でた