必死で陵の腰に抱きついて、気付いたことがある


ゴツゴツしてて
意外に広くて

実は、男らしい体してるってこと。


あー男なんだー



気付いたということ。


誰とも、線をひく陵が
私には
触れさせてるってこと


少し優越感になってしまった。



そうしたら、

いつの間にか
怖い時間は、あっという間に過ぎ


私のマンションに着いた。



「ありがとう陵」


「どういたしまして」


バイクを降りた陵は、

当たり前のように

ロビーに向かった。






「早く空けなよ

寒し!」



「あっ!ごめんごめん」



バックを漁って、
鍵を探した


「寒い!寒いんだけど!!」


「待ってね!待ってっていってるじゃんか!!」

「あーもう!!!」



陵は、私からバックを
取り上げ

バックの中身の
鍵ではないものを

外に投げだした。


ドラえもんのように。


あれでもない


これでもない


みたいな。


「ちょ!陵やめてよ!!!」



ポーチを投げかけた。



ファンデーションが
割れてしまう!!!!!


私、きっと酷い顔で
それだけはお許しを!!!
と訴えた                  目が合った陵は               私に緩やかなパスで

ポーチを投げた


弧を描いて



綺麗にポーチが

私の胸に飛び込んできた


「よかったぁー」