陵は、馴れ馴れしく
人に触れない。



人と一線を保つ


しっかり距離を持って接する



それが、今すごく心地よく感じてしまう。




「乗って」




乗っていいの?


というより、

二人乗りしていいの?


バイクには
詳しくないけど

これ、乗る場所ないし

乗っちゃだめでしょ!



「え、でも・・・

陵ぉぉ」



「乗りなよ」


「陵、飲んだんじゃないの?」


「飲んでない。見てたでしょ?アルコールなかったでしょ?」



確か、コーラだった・・・


「陵、お酒飲めなかったけ?」


「弱いほう


アレルギーでるんだ」



アレルギーでてないから、

飲んでないか。



ぐずぐず悩む私に

機嫌を損ねだした

また、いつもの目になってきた。


「わかった。わかったって」




何食わぬ顔で
陵はヘルメットを被った。



私のは?


ポケーっと、陵がヘルメットを被るのを見ていたら


「那実のはないよ。

自分は自分で守るんでしょ?

那実は強いもんね。」



さっきまでの

泣きそうな気持ちは

打って変わって

腹立たしい!!衝動に変わった。


「守れるわよ!
なにホザいてんの!
なめないでよ!!」



陵の後ろでバイクをまたいだ。


「捕まらなきゃ、割れるからね」



軽く呟いて

陵はエンジンを 鳴らす


陵の細い頼りないような
腰に


おでこをつけて


腕を回した。



その瞬間、

もの凄い勢いで走りだした


お・・・・



落ちる!!!!


割れる!!!!!!!!



必死で陵の腰に掴まった