『やけどな、俺、そん子に酷いことした。そん子な、転校決まってて、前日に小学校の体育館前で告白してくれたんや。』



……ねえ、ミツ、もしかして。



『なのに、そん子は気づいとらんかったけど、告白現場にクラスの連中がおってな。』



もしかして、その子って。



『言ったらいかんことば、言ってしまったんや。』



その子って……。



「…………謝るんは俺の方や。ごめん。八重!」



受話器越しにしか聞こえてなかったミツの声。



その声が、今、はっきり下からも聞こえて来たんだ。