多分、みんなとはこんな風に旅行する事も二度とないと思う。

だから心の底から楽しんだ。

夜は怒られない程度に枕投げをして…

寝るのはあたしが真ん中でその両側にリコと奈々。

更にその隣には国分くんと悠斗。

こんな風に並んで寝るのも最初で最後。

次の日はまた塩野さんが朝から観光に連れて行ってくれた。





「本当にありがとうございました!!」

帰り、新幹線のホームにまで来てくれた塩野さん。

あたし達は全員、頭を下げた。

「いやいや、こっちも良い気分転換になったよー!」

塩野さんは軽く手を振った。

「…次、会う時は全日本開幕戦だな」

急に真剣な眼差しを向けられてあたしも背筋を伸ばす。

「はい」

「…楽しみにしてるよ!」

塩野さんは右手を差し出した。

あたしも差し出して握手する。

そしてお互い微笑む。

「じゃあ、気をつけて」

あたし達は塩野さんに手を振って車輌に乗った。