自分が元に戻るや否や何をも置いてトヨはアキ様の元にやってきた。

「アキがずっと眠り込んでると聞いたのですが……」

澄んだ音色の声を響かせながら私の前に現れた美しい少女が尋ねてきた。

「ええ、私どもは心配することしかできず、アキ様に何もしてあげられないのが何とも情けないことです」

私は、この少女なら何とかしてくれるのではないかと微かな期待を抱いていた。

「しばらく、私とアキを二人だけにしてもらえますか?」

他に術が見つからないので、この少女にすべてを託すことに決めた。

永遠に続くかのような緊迫した時間が流れた。

実際には、それほど長い時間ではなかったのかもしれないが、トヨが部屋から出てきたときには、私自身どうしようもなく疲れていることに気が付いた。