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ナムチもトヨも急いで各自の屋敷に運ばせたが、ナムチのほうは打ち所が悪かったらしく夜遅くに息を引き取った。

トヨのほうは、とっさに身を守ったらしく擦り傷だらけで全身に血をにじませていたが、命に別状はなかった。

心配なのはアキ様だった。

ナムチの死を知ったアキ様は、その瞬間深い眠りに落ちてしまったのだ。

何をしても起こすことができず、それこそ死んだように眠り続けた。

私は、心配することしかできずただ無為に時間を過ごすことしかできなかった。

そんなアキ様を救ってくれたのが、やはりトヨだった。

トヨは、驚異的な回復力を見せ、七日ほどするとほとんど前と変わらない状態にまで戻った。