静かな夜を過ごした

笑うわけでもなく、

泣くわけでもなく、

静かな夜を過ごした


久しぶりの犬の散歩に行き

海を見た

果てしなくて、

自分が小さな気がした

まるでドラマの悲劇のヒロインのような

気がした。

涙も流れなかった

悲劇のヒロインは

泣かないのか?

強情なのか?

風にこの気持ちが

掠われた。

犬が吠える

「早く帰ろう」と

我に帰り、

悲劇のヒロインは

小さな人間に戻った。

そして呟いた

「嘘だよね」