弥月。

弥月には
分かるの?

この苦痛。

私ね。

結構人と付き合うの
嫌いじゃないし、
得意なんだよ。

おしゃべりも好きだし、
冗談言うのも好き。

そんな私が
名前を聞かれるのが
苦手なんて…
おかしいじゃない?

だから
誰にも言わなかった。

誰にも
気づかれなかった。

でも、
それでもやっぱり
嫌なんだよね。


「名前は何ていうの?」

「何て呼べばいいの?」


そう聞かれると
凄く嫌な気分になる。

一回呼ばれれば
抵抗が出来るけど、

その一回目が
どうも苦痛で
しょうがない。


弥月。


初めて
この名前を聞いた時、
凄くぴったりだと
思った。

なんていうか
雰囲気が…。

口では
説明できないけど、
この名前に少し
親近感もあったんだ。

おかしいよね。

でも本当だよ。

弥月に名前を
初めて呼ばれた時も
全然嫌じゃなかった。

何だか嬉しくて
弥月の名前を
呼び捨てに
しちゃった!

弥月は
嫌がってたけど、
それだけ
私にとっては

すごい事だったんだよ。



弥月。


私にとって
あなたは
特別なんだよ。



私にとって
あなたは

凄く凄く


大切な存在なんだよ。