俺の意見は
お構いなしに
ボードを奪われる。

全く…

まぁ、一度
このボードに
触ってみたかったし
別にいいけど。


…って


なんだこれ？！



なんて軽さだ。



しかもものすごく
短くて薄い。



俺のボードが
普通よりかなり
長いことには
気づいていたが、

こいつのボードは
普通より
かなり短い。



…まるで
ビートバンだな。




ゆっくりと
ボードを
眺めてみる。


俺が乗って
壊れないのか…？

不安に
駆られる。


というか…


なんだこの
安定感の無さは！



あまりの小ささに
しどろもどろの
俺のはるか前から


「弥月ー！！」


俺を
呼ぶ声がした。



大きいボード故に、
水圧でどんどん
陸に向って
流されたのだろう。



それにしても…



一瞬言葉を
失った。




なんだ。


あの間抜けな姿は！






「はははは…。」





こらえきれなくなって
腹の底から
笑い出す。




だいぶ遠くへと
流されすぎてしまった
沙鵺の表情は

ここからでは
もう、
見ることは
出来なくなっていた。