柔らかく風が吹き、

雲一つ無い青空。

けれど、
雨が降ると
五感が知らせる。



自然に癖になった
柔軟を終え、
海にそっと
足先を入れる。

足先から
ぞくぞくとした快感が
全身に走る。

俺は体の欲求に
身を任せ、
海に飛び込む。

毎朝の
恒例になっていた。


海に飛び込み、
サーフボードは
海に放り投げる。


そしてそのまま
海水を全身に
行き渡らせ、

自分の興奮を
落ち着かせるために、
30分程、
自由に泳ぐ。


海と馴染み、
心の高ぶりが
おさまった時、

はじめて
サーフィンを
始める。


サーフボードは
俺の心を
把握するかのように、

泳ぎをやめると
俺の元に
甘えるように
近寄って来る。


その上、
俺が泳いでいる間は

決して
俺の泳ぎを邪魔せず、
見守っている。



それが
俺にとっての
当たり前。