「それを見る限り、サーフィンやるんだよね?」


思わず
本能のままに
聞いてみた。



少し驚いた表情を
一瞬見せ、



その後すぐに、
口の端だけで
笑った。



わっ。



初めて笑顔を
見せてくれた。


笑った顔も
大人っぽい。



一体幾つ
なんだろう…?



「まぁな。海の真ん中で、サーフボード持ってサーフィンやらないやつは、あんまりいないだろうな。」





びっくりした…


まさか
つい十秒前まで
眉間に皺を
寄せて、


険しい顔で
横を見ていた人と、
同じ人とは
到底思えない。



…この人、
冗談とか
言うんだ…



なんだか
胸の辺りが
くすぐったい。


無意識に
笑みがこぼれた。



「だねっ。」



そう言って
私も笑った。




面白い。




この人、
話せば話すほど
新しい一面が
見えてくる。



どんどん

どんどん

知りたくなる。






いつの間にか…






彼から
目がはなせなく
なっていた。