まるで
海と同化
するかのように、

静かに
男の人は
立ち続ける。


…あまりにきまずい…


こうなったら
先手必勝!!


何か言われる前に
誤魔化しちゃえ!



「あの…すみません。」
「え?」
「どうかしましたか?」
「…いや。」



お。
先手必勝作戦
成功かな?


それとも、
私のあやしい
一人笑い…。


見られて
ないのかな?



彼はそのまま
目を逸らして
しまった。



…綺麗な目を
してたな…



目を
盗み見ようとすると、

皺の寄った
眉間が見えた。



突然
大人びて見える。



…なんか面白いな。




彼に興味を持った。



けれど、
本当に
興味を持った
きっかけは、



あの彼の
横にある
サーフボード。



彼を優しく
包みこむ波。


見た事が無い程、
大きいボード。



どんな
サーフィンを
するのか、
見てみたい。







サーフィンも、
彼の目のように
綺麗なんだろうな。







空を見上げる。







トンビが1羽、
快晴の空に
舞い上がった。