「じゃあ……キミに愛を贈るよ」

彼は私の指を解き、ベッドから立ち上がりコートのポケットから小さい箱を取り出し、私に向かって投げた。




それは、白い小さい箱。


鮮やかなブルーのリボンが施されていた。




私はそのブルーのリボンを解き、蓋を開けた。






シルバーのリングにピンクのハートの石が乗せられた指輪が、目の前に現れた。






「まだ結婚するつもりはないから、ダイヤってわけじゃないけど……まぁ、予約って感じで」


顔色を一つも変えずに彼は、さらっ…とそう口にした。