「あ・・・・・・・ごめんなさい・・・そんなつもりで言ったわけじゃないのだけど・・・。」


 突然あやまられた。


「別にいいよ。言われ慣れているから・・・。」


 そうさ・・・仮名を名乗るなんて犯罪者か『魔道師』だ。


 どちらも、世間に顔向けできる人間ではない。


 どちらにしたって、俺はまともに世間に顔向けできる人間ではないんだ・・・。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


 しかし、ミクと名乗った少女はスイの言葉に罪悪感を感じたらしく、しばらく顔をしかめていたかと思うと、突然表情を険しくして立ち上がる。


「いや、本当に気にしてないから・・・。」


「口でも言っても、顔では言ってないよ。待ってて、せめてもの償い。」


 そういうと、ミクは息を吸い込み・・・・。


 そして・・・・





 ・・・・・・・・歌いだした・・・。