「あ~あ・・・正体ばれちまったかな・・・まぁ、いっか・・・。これだけの金があれば、次の村ぐらいまでは持つし・・・。」
店を後にして、少年は村の端にある野原で先ほど受け取った金と今までの旅行で溜めた金の精算をしていた。
合計2000ギル。
これで次の村に行くというのだから・・・。
「はぁ・・・今日も野宿だ・・・。」
ため息とともにクビを傾げるが、仕方がない。
宿に泊まろうと思ったら、最低でもこの倍の金額は欲しい。
だからといって少年の売り物は、所詮は何の変哲もないただの『水』
40ギルに値上げして、誰が買うというのだろうか・・・。
「あ~、温かいベッドが恋しい~!」
とりあえず、願望を声に出しながら、野原に横になってみた。
「だったら、家に来る?」
返事は少女の声だった。