「騎士候様。あなたの負けです。ここで私とスイが協力すれば、私が今コノ場で『死の歌』を歌ってあげることもできるのですよ。」


 最後に閉めたのは、ミクだった。


 ありがとう・・・・・


 ごめん、実は限界だった。


 水を発生させるだけじゃなくて、凍らせるなんて・・・。


 パワーを使いすぎて、もう立っているのもやっとだよ・・・・。


「貴様たち・・・・・・覚えていろよ!」


 ガラドはそれだけを口にすると、コノ場から立ち去って行った。振り上げた剣をそのままの姿勢で、しっかりと馬を従える技術だけはすごいと思ったけど、それだけの器用さがあるなら、魔法の一つも覚えておけよ。


 本気で民族の血が泣くぞ。


「ありがとう・・・スイ。だけど良かったの?」


 立ち去った後にミクが声をかける。


「ん?」


「あんなに派手に魔法を使っちゃって・・・たぶん・・・。」


 うん、分かってる。


「俺もお尋ね者だろうな・・・。」


 北の民は滅びなければいけない。


 帝国の敵だから。


 帝国を脅かすものだから。


 俺たちは、生きていることそれだけで罪人なのだ。


 だけど・・・