その歌声はとても透き通って、スイの心の奥底に響くほどに美しい音色だった。


 人の声とはここまで美しいものであるのか・・・。


 初めて感じるその歌声に魅了され、スイの瞳から思わずあふれ出るのは一筋の涙。


 悲しかったのではなく・・・だけど、ただ涙せずにはいられなかった。


 あれ?何で泣いているのだろう・・・・?


 ・・・・・・・・・って・・・


「花が・・・咲いている・・・。」


 その光景が、スイの涙をとめた。


 突然彼の目の前に広がるのは、ミクを中心に変わり行く野原の風景。


 一面、緑だった景色に、赤や黄色の花々が咲いてきていたのだ。


 まるで、この歌声に答えるかのように・・・。