「……」





『まわりなんて気にしないで』





 ……うん





『我慢なんてしないで?』





 うん。





 離れてしまった心が

 もう

 戻らないのなら……。







 終わらせる勇気を…――






「……」





 稚奈は

 皿に残った

 最後のドルチェを口にする。




 空になった

 お皿とカップ。





「……ごちそうさま」





 心が1つに決まったような



 晴れバレとした

 稚奈の笑顔。





 涙は、もう出てはいない。