でも 先生は...
「あら、いいのよ香川さん。もう少しここに居なさいよ」
「えっ」
―こういう教師も居るのか。
私は かかとをまだ入れていない上履きを もう一度キチンと置き
布団に潜った。
「言いたくないなら 言わなくて良いんだけど、何かあったの?」
椅子に座り足を組んで 生徒達の健康手帳を見る先生。
「あ、いや、そんなに大きな事でも無いんですけど...」
「恋の悩みぃ?」
「・・・え」
あっさりと当てられてしまった...
「え...と、まぁ、」
「へぇ? あんなに泣くとは 失恋とか?」
「いや、失恋はして無いんですけど...」
そんなに泣いたのか。 ハタから見れば失恋したと思われる程。
「誰が好きなの?」
段々、この人が 先生だと思えなくなってきた。
まるで 友達のようだ。
「え、と....啓です」
「へぇ!!あんまりイケメンでは無いよね」
痛いところを...
「でも 優しいからいいんです!!頭も良いですしー」
対抗意識が燃えてきてしまう...
「そうなの、それは知らなかったわ」
「そういう先生には、彼氏とかいるんですか?」
「...まぁ、先生にそういう事を言うの??」
「あ....」
ついつい...
「すいません...」