「着いた…」
「オシャレな店…」
「だろ?……あ、翔いた。」
「あの人?」
あたしが指差すと、
「そ。てか、指差すな。」と言って、笑った。
あたしが怒って、プクーと、頬を膨らませると、あたしの隣から、デコピンしてきた。
「ほら、降りるぞ」
「はーい♪」
渉とじゃれあったことで少し嬉しくて、テンションが上がる。
「亜優ちゃん…だよね」
“翔”という、その人は、渉と同じくらいカッコよくて、ドキドキした。
「は…はい……」
「あははっ…緊張しなくていいよ」
優しい人。
笑った顔が印象的。
それが、“杉浦 翔”の印象。
「苗字は…?」
「中川…です。」
「俺は、杉浦 翔。ちなみに24歳。翔って呼んでいいから。」
「知ってます…」
でもさすがに5歳年上を呼び捨ては抵抗がある…。
「あーゆちゃん♪」
「奈美ちゃん…?」
「うん!同い年でしょ?仲良くしょぉね!」
「うん…」
そして、この4人は店の中に入ったのだった...。