*次の日*

「おーい!亜優!!」
渉が外で叫ぶ。
「待ってー今行くぅー!」
あたしは精一杯オシャレして、ヒール10㎝の赤い靴を履いた。

あたしは走って渉のところに行こうとすると……

「きゃぁっ!?」
転びそうになったところを……
「大丈夫か?!」
渉が受け止めてくれた。

「ぅん…」
あたし多分…顔、真っ赤だ。

「ったく、昔っから危なっかしいたなー。」

ドキン‥‥

渉は………
あたしの気持ちを…
ドキドキさせるのが、上手だ…。

「行くぞ」
「はいはい」

そう言って、渉の車に乗る。

渉の車に乗るのは、2回目。

1回目は、渉が初めて免許をとった時。

渉の車は、黒で大人っぽい。

シトラスの香りが漂っている。

「そう言えば、おばさんは大丈夫?」

おばさん、渉のお母さんは、足が悪い。

だから、渉は一人暮らしをしていない。

「あぁ。」

渉はそれだけ言うと、音楽を聴き始めた。
♪〜♪〜

……?

いつもROCKか、j.POPなのに、今日はクラシックだ…。

「今日はクラシックなんだね…」

「……あぁ、ハマってる。」

ふぅん…
なんか意外。

この曲…

聴いたことある…。

たしか……

『失恋』……。

失恋でもしたのかな…?


あたしの心はモヤモヤしたままだった...。