――……。


「渉っ♪」
学校から帰って、すぐに寄るところ…。

「おう!亜優っ」


お隣の、あたしが片思いしている、佐山 渉(27)の家……。

「今日から大学生なんだな!おっきくなったな〜」
そう言って、あたしの頭をポンポンする…。

いつまでたっても、子供扱いだなぁ…。

そんなところに少し苛立ちを感じながらも、やっぱり好きだなぁと、思い知らされる。

渉はカッコいい。
だから、いつも違う女の人といる。

それでもあたしは、知らないふりをする。

面倒な女とか、ウザイ女とか、思われたくないから……。



「あ、そう言えばさぁ、明日俺の後輩に会ってくれないか?」

え……
渉は心配とか、嫉妬とか、あたしにはしてくれない。
だからあたしは意地張って、
「いいよ」
と言う。

それでも、
「そっか!じゃあ、翔喜ぶよ」
そんな態度をとる渉に腹が立つ。

それよりも、自分が悔しく思う。


「渉の後輩、翔って言うの?」

「あぁ。杉浦 翔。24歳。ちなみに妹も来るらしい。亜優と同い年だそうだ。」
「ふーん。」
でも、あたし1人で行くのかな?

「あ。俺もついてくから」
よかった。

あたし、結構人見知りだから…。