直道と別れた後、大学に進学した凛花は楽しい生活を送っている。
ママ大好き男に懲り懲りした凛花は、ある日、友人に誘われたコンパに行くことに決めた。
そう、このコンパに行かなければ健児と出逢うこともなかっただろうに。
コンパで出逢った健児はお世辞にもカッコイイとは云えない。背は凛花より十センチ程低く、これといって特徴のない顔をしている。けれども話していると会話が上手な人だということは分かる。そして、直道のことが後遺症となっていた凛花は、中身重視と自分に云い聞かせていた為、健児に携帯電話の番号とメールアドレスを訊かれた時に断らなかった。
「凛花、いいの? 健児君って、このメンバーの中で一番不細工じゃん」
隣に座っていた友人が眉をひそめ、小声で凛花に訊く。
「まだ付き合うとかそういうんじゃないんだし、彼、会話が面白いじゃない」
そして凛花はコンパの終了間際、健児に携帯電話の番号とメールアドレスを教えた。
「嬉しいなぁ。僕はこの時のために、そう、君と出逢うために留年したんだよ」
健児が大げさに笑顔でそう云うと、その場は皆で盛り上がり、凛花も笑っている。
どうやら、健児は本当に留年しており、歳は一つ上らしい。けれども、留年すら笑いに変えてしまうなんて面白い人、その時はそんなふうに思っていた。
ママ大好き男に懲り懲りした凛花は、ある日、友人に誘われたコンパに行くことに決めた。
そう、このコンパに行かなければ健児と出逢うこともなかっただろうに。
コンパで出逢った健児はお世辞にもカッコイイとは云えない。背は凛花より十センチ程低く、これといって特徴のない顔をしている。けれども話していると会話が上手な人だということは分かる。そして、直道のことが後遺症となっていた凛花は、中身重視と自分に云い聞かせていた為、健児に携帯電話の番号とメールアドレスを訊かれた時に断らなかった。
「凛花、いいの? 健児君って、このメンバーの中で一番不細工じゃん」
隣に座っていた友人が眉をひそめ、小声で凛花に訊く。
「まだ付き合うとかそういうんじゃないんだし、彼、会話が面白いじゃない」
そして凛花はコンパの終了間際、健児に携帯電話の番号とメールアドレスを教えた。
「嬉しいなぁ。僕はこの時のために、そう、君と出逢うために留年したんだよ」
健児が大げさに笑顔でそう云うと、その場は皆で盛り上がり、凛花も笑っている。
どうやら、健児は本当に留年しており、歳は一つ上らしい。けれども、留年すら笑いに変えてしまうなんて面白い人、その時はそんなふうに思っていた。