慎一郎を気になり始めてから、何と慎一郎の方から、二人で会わないかと誘われ、凛花は待ち合わせの海に向かっている。

 夕日に照らされた海に着くと、慎一郎が座っていた。


「慎一郎、来るの早かったんだね」


 そう声をかけると、慎一郎は振り向き笑顔を見せた。


「ずっと好きだった。俺と付き合ってくれないか?」


 真っ直ぐに凛花の目を見て告白する慎一郎、そんな姿に凛花の心は決まった。


「私で良かったら」


 それから凛花は慎一郎と恋人同士になり、付き合い始めてから二年が経とうとしている。今まで、ママ大好き男、ミュージカル男、泣き虫男、20円男、と付き合って後悔したが、慎一郎はどのタイプにも当てはまらなかった。彼は理想の相手ではないかと思う。

 凛花がそんなふうに考えていた矢先、慎一郎からプロポーズをされた。もちろん返事はOK。話しはとんとん拍子に進み、両家の挨拶を済ませ、結婚式は海外で二人だけで挙げた。それには、慎一郎の家族が父親一人しかいないという理由もある。慎一郎の親戚などは、本家に集まる際、凛花を紹介し、お祝いを行うことになっていた。