ぼー……。


突然ですが、あたし……。
悩んでます。

っていきなり誰?って思ってるよね。
あたしは富澤柚未。
高校2年生。
一応あたし、彼氏持ち。
え?興味ないって?
ううん。興味持ってもらわないと困る。
だってあたしの悩みの種は、その彼氏の事だから。


はぁ……。


机に頬杖ついて、窓から見えるグランドを見てまた溜め息。
そこにはあたしの彼氏・真山春。
春はあたしの1個上の先輩。
あたしと春の出会いは、あたしが入学した時のある事がきっかけだった。




……――2年前。


「あぁ!!ないよぅ」


学校の校門前であたしは大声を上げた。
するとあたしの前を歩いていた中学からの友達の梨奈が後ろを振り向いた。


「どうした?」


「持ってきた筈の家の鍵がないのー!」


バックのポケットにキーホルダーにつけていた鍵だけがなくなってて……。


どうしよう……。
今日お母さん帰り遅いんだよなぁ。


お母さんは看護士で、今日は夜勤だった。
鍵なかったら……家入れないよ……。


「えぇ?バックの中入ってないの?」