コンコン…
俺は今ナナちゃんの部屋の前にいる。



「はいっ!!ぅわっ…びっくりしたぁ…蓮くん」
「愛海いるよね?」
「泣き疲れて寝てるよ」



俺は足を忍ばせてナナちゃんの部屋に入る。



スースースー……
小さな寝息をたてて眠る愛海。すっげぇ可愛い。



こんな可愛い愛海に…俺の愛海にキスしたあいつが許せねぇ。でも…こんな可愛い愛海を泣かせた自分も許せねぇ。



「ごめんな、愛海…」



俺はナナちゃんにお礼を言い、愛海をお姫様抱っこする。



「………蓮……ごめっ…」
ポタッ…
俺の腕に水滴がついた。
「愛海…泣いてる?」



愛海の目から零れ落ちた一粒の涙。



『………蓮……ごめっ…』
愛海は寝言でも俺に謝ってる。


「ごめんな愛海」
俺は愛海の額にそっとキスをした………。