「……っやだ!!」



なんでっ……
こんなのひどいっ!!



あたしは走って教室に帰った。


「………愛海?」
ナナの優しい声がした。



「どうしたの……っ」
あたしの顔を見て驚くナナ。



多分目が真っ赤なんだろう。



「あた………し……ひっ、ヒロくんにぃ…………ぅっ」



泣きじゃくるあたしを優しく抱きしめてくれる。



ナナのあったかさにまた涙がこぼれる。



「ナナぁ~あたしっ…蓮以外にはキスされたく…ないっ……抱きしめられたくっないっ…」



きっとナナは驚いてる。



「ヒロくんに、されたの?」



ナナの言葉に小さく頷く。



「ひどい………」
ナナは一言呟いて、黙り込んでしまった。



「グスッ………ぅっ…」
「…なんでナナが泣くのぉ」
「だっ……て」



ほんとナナは涙もろい。