あの悪夢のような出来事から2時間。



あたしは重い荷物を運びながら寮の廊下を歩いている。



『気にすることないよ』
ナナの慰めも耳に入らない。



ドンッ!!
「キャ……」



ぼーっとしてたら誰かにぶつかり思いっきり足をぐねった。



もう……痛い~~~~!!
ほんとついてなさすぎっ。



「おい、ぶつかっといて謝罪もないわけ?」
え………忘れてたっ!!
「ごめんなさ………」



顔をあげるとそこには……
ヤツがいたっ!!!!!!!



「あ?」
「ごめんなさいさようなら!!」あたしは荷物をもってダッシュした…………が…



ズキンッ…と足首が痛み激しく転倒した。



「うわ…色気ね~」
やる気のない声をだし冷めた目であたしをみるヤツ。



い………色気っ!!??
みるとスカートがめくれあがっている。



「ギャアッ!!!見ないでよっ!」「お前の色気ねぇパンツなんかみたくね~よ。」



ムッカ~~~!!!!
ぶちギレたあたしは部屋の鍵をあけ思いっきりドアをしめた…


あれ……しまんない。
「おい」
ひぃぃぃぃっ!!!!!



ドアには誰かの手がかかっている。
あたしは慌ててドアをあけた。


そこにいたのは…ヤツ。
「いてぇ」
「ごめっ………」



ヤツは黙ってあたしの部屋に上がり込む。



「ちょ…なに?」
「足、手当てしてやる」



ヤツはあたしの足首に優しく湿布をはり包帯をまいてくれた。


「ありがと……」



なんだ…ほんとは優しいんだ。