「………」
なんか近づいてくる。



「……………ぇ」
「どけ」



…………ん?
なんか言ったこいつ?



あたしの目の前にはさっきの王子様。



そして…はなった言葉は。
『どけ』!!??



なんか小声だったし……



「ここあたしの席。」
この特等席だけは譲れない。



「へ~、口答えするんだ?」
「は?」
「後で犯してあげる♪」



と、不適な笑みを浮かべた。



おか、お、犯す??!!
「是非、お譲りいたします」



ファンに聞こえないように言ってるのかこいつ。



つまり、裏はこれってわけね…


じゃあバラしてやればいいじゃないッ♪



「こい」
あたしの手をひいて行くヤツ。「は!!??」



ついたのは人がいない静かな廊下………。



これは……危険じゃ?
「あ…の」
「俺の性格黙ってて?」



これが表か……。
すがるような目で見つめてくるヤツ。



くっ…
だめ!!ルックスに負けるな!!



「ねぇ……」
おっきな瞳に吸い込まれそうになってしまう。



「わ、わかったから…」
「ありがと、姫」



「キャ………ん…」
何何何!!!???



唇に柔らかい感触が…
え…これ……キス??!!



「ちょっ!!」
あたしはヤツの胸を強く押す。


「何して……」
「何ってお礼のキス」



お礼になってなぁぁい!!
あたしのファーストキス……



「じゃあな姫♪」



奪われたファーストキス。
ファーストキスのように奪われる心?



ふざけんな~~!!!!!
何なの、アイツ!!



イケメンをかぶった悪魔よ!!



ほんと最悪っ!!!!



もうこんなとこヤダ~~ッ!!!