「愛海は?」
「あたし彼氏いない歴16年」「うそだ~~!!」
「ほんとッ」



そう、これは事実だ。
あたしは彼氏できた事ないし、恋さえもしたことない。



いつか……
きっと運命の人があらわれる。


ハズっ!!!!



「愛海可愛いのに~」
「全然…。てか好きって気持ちがわかんないの~」



人を好きになったことがないあたしには《好き》って気持ちがよくわからない。



「まぁそのう…」
『キャァァア゛ァァァァ!!!』


……!!??
何事っ?



ナナの声は途中で得体のしれない叫びにかき消された。



『蓮く~ん!!こっちみて~』
『空~~~!!!!!!!!!』
蓮………?空………?



「なんなの?」
「あれ、愛海知らない?」
「うん」



地元が遠いあたしには何がなんだかさっぱり…



「2人はね、学園のアイドル♪超かっこよくてお金もち~」



なるほど……
でもここまで?



「ぁ………」
一瞬見えた横顔は、この世のものとは思えないほど美しく…整っていた。