「ごめんな」
「いいよ、あたしがうっかりしてたし………」
「あのな……」



あれは冗談なんだ。
って言いたいんでしょ?



「わかってるよ、めんどくさいから言ってくれたんでしょ?」「おい…」
「でも噂になっちゃうかもね」


ハハッ……
あたしは空っぽの笑顔を浮かべて見せた。



「愛海、聞けよ」
「何を?」
「だからッ」



下をむく蓮。
わかってるんだって…
さっきのはめんどくさいから言ったってことぐらい。



そんなことで期待するほどバカな女じゃないよ。



「愛海…」
「だからもういいよッ」
虚しさと悲しさで涙が溢れた。


「俺は…………」
「だからッ」



いやだ…。
聞きたくない。
ここで終わりたくない。



蓮が好きだから…
関係ない人になりたくないの。


だって
ここで…終わりでしょ?



「終わらせてやんねぇよ」
「え?」
「心の声が聞こえる……」



悪戯っぽく笑う蓮。



「よく聞けよ?」
「うん?」