「最近よく笑うわね」
「そ?」



今日は、モデルのカンナと撮影だった。



「彼女でもできた?」
「まさか?」
「へ~?」



意味深な視線をむけてくるカンナ。



「今日、うちクル?」
「いかねぇよ」
どうやら、カンナは俺が好きならしい。



残念ながら無理だな。
確かに彼女はいねぇけど…



俺はカンナみたいなのはタイプじゃねぇ。
まずそれ以前に仕事仲間としか思ってないからな……。



「彼女いないんでしょ?」
「いないよ?」
「欲求不満でしょ?」
「まさか」



どうやら俺は欲求不満で可哀想な男だと思われてるらしい。



「じゃあ……あたしとッ」
「カンナは仕事仲間でしょ?」「仕事仲間じゃイヤなの!!」
「無理。カンナは仕事仲間」



「お願いRen!!!!」
「無理。」



カンナは涙をながす。



綺麗だと思えないんだ。
可愛いと思えないんだ。



何をしてても、愛海の顔を浮かぶんだよ。



俺が欲しいのはお前じゃない。


俺は……愛海がほしい。



あぁ、俺ってつくづく鈍感な男だな。



他の女に告られるまで、自分の気持ちに気づかねーなんてな…


俺は、愛海が好きなんだ。