「………俺はの神田さんの笑顔が好きなんだよ」
だめ
そんな言葉
勝手に自分で都合のいいように解釈して
もっともっと好きになるから
これ以上好きになったらだめ…
「…ん…佐藤さ…も……大丈夫だから………離してください……」
優しく離れていった腕
ふと顔をあげて佐藤さんを見ると、悲しそうな顔をしてた
「佐藤さん…あたしも佐藤さんの笑顔が好きです」
赤くなった顔は涙のせいにして
笑って言った
「あたしも佐藤さんが担任でよかったです………ありがとうございました」
また涙が零れそうになったから下を向いた
ポケットに入れていた手紙を取り出してテーブルの上に置いた。
「…何?」
「……ラブレターです」
「またお前はそ〜やって〜」
ほんとだよ
今日は冗談じゃないよ
…言わないけど……
「じゃあ、佐藤さん………さようなら」
「………うん、じゃーな」
背を向けて歩きだす
今振り返ったら
これ以上一緒にいたら
涙も気持ちも止められなくなる
早く1人になって思いっきり泣くんだ
階段を降りて
自転車置き場まで走った
もう無理だった
人通りの少ない
薄暗い自転車置き場で
声をあげて泣いた