「まぁ…面談というか…ただ聞いてて?」



真剣な目でじっと見つめられる



恥ずかしいけど逸らさない



佐藤さんからもらう最後の言葉を、目で、耳で、全身で、記憶するんだから…









「1年間、神田さんと一緒に過ごしてきて、俺はすっげぇ楽しかった。

毎日頑張る姿を見て、俺も負けてらんねぇ、って思ったりもした。

神田さんにとっては辛い1年だったかもしれないけど、その辛さはきっと、神田さんを大きく成長させたんだよ。

俺はまだまだ未熟で頼りない担任だったから、不安にさせたりもしたかもしれない。

本当はもっともっと伝えるべきことがあったかもしれない。

でもそのとき、その瞬間、伝えたいと思ったことは全部伝えた

いつも真剣に受け止めてくれてありがとな



俺は、この1年を忘れないよ



正直、寂しい気持ちはあるけど、今は悲しむときじゃないよな?

未来への1歩を踏み出した神田さんを笑って送り出します



本当

神田さんの担任でよかった

こんな俺についてきてくれてありがとう



そして、合格おめでとう!」