次の日
塾に合格の報告に行った
1通の手紙を握りしめて
「こんにちはーっ」
「神田さーん!こんにちは」
「合格しました」
あたしは満面の笑みで
合格通知をひろげた
「きゃーおめでと!頑張ったもんね!!よかったあ…あ、佐藤くん呼んでくるね」
「あ、はい…」
佐藤さん…
あたしの塾での担任
ていってもまだ大学生で
いつでも相談に乗ってくれる
チューターさん的な…
1年前には恋に落ちた
でもそういう目でみるのはやめた
恋をしながら受験勉強ができるほど自分が器用じゃないことはわかってた
そして、佐藤さんにとっては
あたしなんてたくさんいる生徒のなかの一人ってことだってわかってる
ふとしたしぐさに
きゅんとしたり
佐藤さんがいる曜日が
楽しみだったり
お休みだとがっかりしたり
どうしても抑えられない感情はあったけど
本気で恋したつもりはなかった
なのに
受験が終わった開放感と共に溢れ出てしまった
もう抑える必要がなくなった
我慢しなくてもいい
好きって気持ち