好き…………?
佐藤さんが…
あたしを………?
「……ほんと…に……?」
「うん………神田はさ、絶対覚えてないと思うけど……お前がまだ中学生のとき…俺等もう会ってんだよ?」
「……………え…?」
「お前北中だろ?…俺OBでさ、サッカー部でコーチやってたんだよ……んでさ、ボールがテニス部のほう行っちゃって、すいませーん、蹴ってくださーいって言ったの」
「……蹴ったのがあたし?」
「うん、そ。……まあ…正解には蹴ってないけど………」
「え?」
「お前空振りしてさ、こけちゃったんだよ」
「え…えぇえ〜っ!?……はず…」
「そんとき、やべぇ超可愛いって思った!笑」
「………」
「でもそんときはそれだけだよ。恋愛感情とか一切なかったし。本気で好きになったのはこの1年間で…でも伝えるつもりはなかったんだ………お前の迷惑になると思って………なのにこんな手紙よこしやがって!」
「…えへへ……」
「……………思ってたこと…全部一緒だった。俺も緊張してた。会いたかった。抱きしめたかった。」
「うん」
「好き」
「うん」
「好き」
「あたしも」
腕がそっとほどかれた
佐藤さん…
真っ赤…
でもきっと
あたしのほうが真っ赤だ…
解かれた左腕は腰にまわされ
右腕はあたしの横を通りすぎ
髪の毛を撫でながら
大きな掌で頭を引き寄せられた
夕暮れの自転車置き場
あたしの…
初めてのキス………