胸をえぐられるほどに、その言葉はあたしに突き刺さった。


そうだ、彼女の言う通りだ。



「出会った頃の瑠衣は自由だからこそ輝いて見えて、決して何者にも縛れない野生動物のようだったわ。」


なのに、今はどうかしら。


アミさんは相変わらず、鼻で笑ったようにあたしを見る。



「第一、薄情なものよね。
誰のおかげであの頃、ナンバーワンになれたと思ってんだか。」


「アミ、やめろ!」


「あなた達、一緒に暮らしてるの?
それってあたしが瑠衣にあげたお金で、ってことよね?」


瑠衣の制止を無視して話す彼女の言葉は、まるで無数の刃のようだ。


けれど、それはどれも的確で、あたしは反論する言葉さえも持てないまま。



「ねぇ、飽きたら瑠衣のこと、さっさとあたしに返してね?」


瑠衣は物じゃない。


でも、彼女にとってみれば、金を払って自由を奪えるのだから、自分所有の愛玩動物のようにしか捉えていないということだろう。


彼は憎々しげに舌打ちを混じらせ、アミさんを睨み付けた。



「言っとっけど俺はもう、昔とは違ぇんだよ。」


「どういう意味かしら?」


「てめぇにゃ関係ねぇ、って意味だ。」


吐き捨てた瑠衣は、怒りに震えるアミさんを無視し、あたしの手を引いてきびすを返した。


けれど当のあたしはといえば、一体どんな顔をしていただろう。


ただ、彼女の言葉ばかりが頭の中をぐるぐると回っていて、ひどく混乱している自分がいた。