自分勝手だけどね、一方的に膨れ上がった想いを、止めてほしかったんだ。

伝えたいと思う反面で、ブレーキをかけてほしかった。

どんなに好きでも、俺じゃ無理だってわかってたからさ。


やっぱり瑠衣には勝てないね。


悔しいし、腹立つよ。

あんなヤツ死んじまえ、ってマジで思う。


でもさ、瑠衣が死んだら俺はきっと生きられないから。


いつも瑠衣の背中ばかり見てた。

追い掛けても、手を伸ばしても届かないのに。

なのに、それでも瑠衣だけだったんだ。


俺ってやっぱり馬鹿だよね。




大好きだった百合へ。


さよならは言えないから、代わりに手紙にしました。

俺はこれから、この街を出ます。

格好良く行きたいから、目的地は内緒。


だからこれからは、瑠衣だけを見てあげてください。

俺なんかが言って良いはずないけど、願わくば、瑠衣と幸せになってほしい。

邪魔者は消えなきゃね。


思い出すことはいっぱいあるけど、忘れない。

だから、ありがとう。

ばいばい、百合。




《追伸》

瑠衣に伝えてほしいことがあるんだ。


ごめんね、お兄ちゃん、って。

アンタと生きて、今なら少しだけ許せる気がするんだ、ってさ。

俺はもう、瑠衣と一緒にはいられません。

だからこれからは別々の道で、って伝えてね。



百合を大切に。