――百合

最初であり、最後でもある手紙を許してください。


百合のことを初めて見たのは、ちょうど一年前の、熱帯夜だった。

あの日、悲しそうに、死んでしまいたそうに歩いてる百合を見た瞬間から、俺はきっと好きになってたのかもしれない。

それからは、百合のこと探すのが楽しみになったんだ。

笑ってくれて良いよ。


だからこんな風にしたいわけじゃなかった。

復讐のために、だなんて思ったこともないよ。


それでも、瑠衣より早く出会ってれば、って思うと悔しくもなるけどね。


瑠衣と百合が、お互いから離れられないのもわかってる。

でもね、俺の気持ちだって気付いてほしかった。

我が儘なだけだとしてもね、どうしても伝えたかったんだ。


ごめんね、百合。


巻き込んでごめん。

悲しませてごめん。

悩ませてごめん。


謝る言葉を並べたらキリがないよ。


昨日はごめん。

本当にごめんなさい。


瑠衣が間にあってくれて、心底良かったと思ってる。