痛みが、少し引くのを待って、浩之は、なる縛ゆっくりと、身を起こした。

自分のじゃない呻き声がして、見下ろすと、転がっている彼が、肩を押さえて、エイジュにされるままになっていた。

エイジュは、殺さなかったのだ。

その代わり、彼からナイフと銃を奪って、浩之に差し出した。

「これは、あなたの銃よ」

浩之は、エイジュの顔を見ながら、それを受け取った。

今、人を撃ったばかりなのに、エイジュには、微塵の変化も見られない。

手の中には、ずっしりした重量感が治まる。

「彼、どうするの?」

「さあ。運が良ければ、組織に見付からずに、逃げられるわ」

「見付かったら?」

「殺される」

浩之は、目を閉じた。