キーンという、コンピューターの立ち上がるような音が微かにした。

浩之の、鼓動が高鳴る。

彼女の瞼が、ゆっくりと動いて、目を開けた。

エイジュと同じその瞳が、静かに、浩之を捕らえる。
 
瞬間、庫内の電源が落ちて、揺らめく赤い炎が作り出す、明かりだけになった。
 

その中で、息を詰めるような思いの浩之に、彼女は微笑んだ。



終わり

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