火がある間に紙束に視線を落とした。

知能回路の設計図。

そう思って間違いないだろう。

多分、英樹にしか分からないものなんだろうけど。

だから、存在させていてもあまり危険はないのかもしれない。

それでも浩之は、英樹の作り出したものを、エイジュの消したかったものを、この世から消し去りたかった。

指を焦がし始めたマッチを暖炉に捨て、次のマッチで、浩之は紙束に火をつけた。

紙達は、めくれ上がりながら燃えてゆく。

それが作り出す明かりで、部屋が明るくなる。