「あっ、柚ちゃん!」

「美憂おはよー」

「おはよっ」

立ち上がって、柚ちゃんの方へと向かった。

「なぁ美憂、俺は?」

「あぁ、海斗いたんだ。おはよ。」

「……今サラッとひでぇこと言ったな…」

落ち込んでいる海斗は無視して、柚ちゃんを教室の隅へ連れて行く。


「美憂、昨日はどうだったの?」

小さな声でそう聞いてくる柚ちゃんに、ニコッと笑顔を見せた。

「その様子だと、うまくいったみたいね。」

「うんっ!」

「そっか、良かった良かった!」


柚ちゃんも、可愛い笑顔をあたしに向けた。少しして、柚ちゃんが「あ、そういえば…」と呟き

「藍沢君はどうなったのよ?」

と聞いてきた。


「昨日大ちゃんと一緒に風磨に会いに行ったよ。」

「それで?解決したの?」

解決…したんだよね?

よく分かんないけど…今は大ちゃんの弟の話で精一杯みたいだし


「うん、一応。」

「一応ってなによ?」

「仲直りはしたよ、大ちゃんと風磨も仲良くなったし。」

「あぁ、そうなんだ。」

それだけ話して、後は昼休みに話すことになった。

自分の席へ戻ると、大ちゃんだけではなく、遼まで不機嫌顔に…

「ど、どうしたの…?」

「別にー」

「何でもねぇよ。」


何でもなくないでしょ。

…不機嫌丸出しじゃない…


「………………」

巻き込まれるとイヤなので、口出しはしないことにした。

無言で席に着き、チラッと2人の様子をうかがう。

はぁ……何で槙が大ちゃんと遼の間じゃないんだろう。

席が隣同士のふたり。

仲が良いのか悪いのか……でもまぁ、喧嘩するほど仲が良いって言うし。