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「わっ、もうこんな時間!」

カバンを持ち、玄関へと向かった。

「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい。」


―ガチャ…


「おはよっ、大ちゃん!」

「おう…はよ……ほら、乗れ。」

「うんっ」

いつものように、ヘルメットを被り、大ちゃんの後ろに乗った。

「あ、今日用事あっから。1人で帰れるか?無理なら、遼にでも頼むけど。」

「大丈夫だよ、わざわざ送ってもらうのも悪いから。」

「そうか。」

そう言って、バイクを走らせ始めた。

やっぱり、寒いわ。


数十分も走れば学校へついた。


「手。」

「…手が何?」

「…手かせって。」

何故か照れて、手を差し出している大ちゃん。

……あぁ、手繋ぐのね!

「はい。」

手を差し出すと、冷たくて、あたしよりも大きな手にぎゅっと握られた。

「大ちゃんの手冷たいね」

「そうか?」

「うん、感覚ないでしょ」

「ない。」

バイク乗ってたからかな…

手を繋いだまま、教室まで上がり、大ちゃんがドアを開けた。


『……………。』

みんな固まってしまって、喋らなくなる。

「あ、美憂おはよー」

唯一あたしに挨拶したのは、机に伏せて寝ていた遼。

「おはよー」

遼に挨拶をして、みんなの視線を感じながらも、席についた。

槙と、柚ちゃんと、海斗はまだ来ていない。