<きたーーッ!!王子サマっ・・・>
「はぁーいっ!!だいじょぶでぇーすッ!!!・・・・・・えっ・・・」



春乃は勢いよく振り向き少し裏声で喋った。だが男の顔を見て裏声が地声になった。
その男は春乃が思っていた王子ではなく、制服は1つも校則違反をしておらずメガネをかけており、まるで王子の下にいる下っ端の兵士のようだった。



「あのー・・・本当にだいじょうぶですか??もしあれなら・・・・・」



「いえ、全然だいじょぶです。それじゃあさようなら」



春乃は男が最後まで言う前に別れを告げ、また走りながら学校へ向かった。