駄目だ、その顔に弱い。


私は昔から困っている人をほって置けない性格。


銀ちゃんは覚えてるかな。


あの公園で5才の私が勇気をだして、銀ちゃんに声かけた事を。


あの時の銀ちゃんはとっても悲しそうで、何処に消えてしまいそうだった。


周りのみんなは、中学生で金髪の銀ちゃんを怖かってたと思う。


私は怖いとか関係なく、気が付いたら銀ちゃんに声をかけていて。


今の銀ちゃんはあの時と同じ顔してるから。


銀ちゃんをもう一度、私が銀ちゃんを救ってあげる。


5才の私が出来たのだから、17才の私に出来ない訳はない。

銀ちゃんの手をギュって握ると、銀ちゃんが私を見た。


「銀ちゃんは真子の事好き。銀ちゃんに真子は必要ですか。」

銀ちゃんが涙を溢し頷いた。


「俺には真子だけ。真子しかいらない。俺の過去は許されないけど、傷つけた人への謝罪は必ずする。真子がいれば勇気も出るし。」


銀ちゃんも12年前の事を思いだしていたんだ。


気持ちが通じた事が嬉しい。


銀ちゃん、もう少し頑張ろう。


私は銀ちゃんを見離す事など出来なかった。


銀ちゃんの苦しみは私の痛み。


一緒に乗り越えたい。